田んぼの出来事2024年10月

 過酷な環境変化に適合する品種
広い水田地帯にひと際目を引く生育旺盛な稲、『 旭・亀の尾』(正式名称・クマミノリ)
静岡大学の中井弘和農学博士により無施肥栽培を前提として交配された新品種です。
世界で初めての試みです。一般品種は食味だけを重視し、肥料や農薬を与える事を前提に交配してます。農薬や肥料に頼らないと育たない、それは見方を変えれば生命が軟弱な証拠でもあります。
その様なお米で真の健康が得られるか疑問ですね。


『東の亀の尾・西の朝日』と言われる良食味のブランド米で、この二つは現在栽培されているお米の原種とされています。
その二つを自然栽培向きに掛け合わせた晩成の新品種です。
野性的な姿は生命力旺盛が伺えます。
この田んぼは22年間の長きに亘り無施肥栽培の田んぼです。他の肥料をたっぷり与えた慣行栽培の稲に負けない姿です。
高温化する気象条件に合う品種のようです。




 背丈 127㌢、穂の長さ 23㌢ 
 田植日 6月29日
 出穂日 9月17日

 出穂20日後の写真(9月27日撮影)




 90年程自家採種を続けている貴重な品種『朝日』、お宝的存在です。
自家採種を繰り返すと種子は次第に不純物が抜けて清く、純粋に成り、健康に良い種子になります。
益々増える深刻な健康不安、朝日は食べる方の健康を願ったジョーカー(切り札)、最高のお米です。

 今年の九州は記録的な猛暑日が続く過酷な夏でした。加えて梅雨明け以来雨が極端に少なく、稲が水を必要とする時期に水不足の田んぼもあり、加えて高温障害もあり残念ながら収量は少なめでした。
上記の「旭・亀の尾」と比べ大きな差が出ました。
益々異常気象が進むと考えられますので品種の選択、植え付け時期、株間、など改善の余地が大いにあるようです。悩ましい問題です。


 背丈 98㌢、穂の長さ 18㌢ 
 田植日 6月27日
 出穂日 9月7日

 出穂37日後の写真(10月10日撮影)

※旭と朝日は栽培地の違いだけで元々同じ品種です。

おがた健康農園 緒方弘文